国内の特許・商標・意匠、米国の知財に関する一口メモ

審査官の困った対応

審査官の困った対応
細かい経緯は省略しますが、MPEPの個別の規定の趣旨を考えることなく拒絶の根拠にする審査官がいます。そのことを説明する反論をしても、審査官は受け入れません。こちらとしては、違う審査官に審査して欲しいと思うわけです。
同じ反論でAFCPする価値があるでしょうか?プレアピールで主張すべきでしょうか?前者であればオフィシャルフィーが不要ですが、成功する可能性は低いです。ただ、AFCPをすることで審査官のスーパーバイザーの注目を受け、スーパーバイザーが審査官の翻意を促すかもしれないということを期待するだけです。その可能性は低いとしても、トライはしたいと思うでしょう。でも、だめだったら、ほぼ同じ理由を使ってでプレアピールをすることになりますが、通常の米国の事務所であれば、それぞれで手数料が発生します。
こういった場合、当所であれば、AFCPもプレアピールもほぼ同じことを主張するだけですから、予めそういう戦略として組んでおき、プレアピールをするときは最低限の費用で対応しています。出願人にとっては経済的負担が減ります。
日本の人なら、そんなこと自慢をするなと思われるかもしれませんが、アメリカの事情は異なるのです。アメリカ全体のシステムがそういった融通を利かすことができない仕組みなのです。
アメリカでは、「今日、15分残業してくれたら、明日の朝30分遅く出社して構わない」と言われても、今日、残業をする人はいません。個人的には、その方が好都合だと思っても、それをすると他のことに影響ができすぎるのです。一番分かりやすいのは、保育園のお迎えは5分刻みでレイトペナルティーがかかるということです。日本の保育園は遅れた者勝ちですよね。わざとお迎えに遅刻する人もいると聞きますが、アメリカでは通用しません。
こういったことができるのは、当所の強みだと思っています。

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国際出願にかかる手数料が軽減され、交付金も支給されます

国際出願にかかる手数料が軽減され、交付金も支給されます

特許庁では、表題のような軽減を行います。
中小企業等が対象となりますので、該当する方も多いかと思います。
是非、チェックしてください。

2019年4月1日以降に出願する(特許庁が受理する)ものが対象となります

国際出願にかかる手数料の軽減措置の申請手続き
https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/tesuryo/pct_keigen_shinsei.html

国際出願促進交付金の交付申請手続き
https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/tesuryo/pct_kofu_shinsei.html

2019年3月31日以前に交付申請をする場合の規定もあります。

国際出願促進交付金の交付申請手続について(2019年3月31日以前に交付申請をする場合)
https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/tesuryo/sokushinkouhu/index.html

国際出願促進交付金の交付申請手続について(2019年3月31日以前に交付申請をする場合)

https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/tesuryo/sokushinkouhu/index.html

 

 

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障害者用の発明に対する当所の対応について

当所は、障害者を補助する器具等の発明については、ボランティア(無料)で対応させていただきます。
障害者を補助する器具等の発明であって、障害者が発明したものということではありません。むろん障害者ご自身が、障害者を補助する器具を発明された場合は対象となります。
いくつかのルールはありますので、そのルールは守っていただきます。守っていただけない場合は、有料での対応または代理人の辞退をせざるを得ません。ルールはごくごく標準的な内容なので、理不尽な方でなければ守っていただける内容です。
また、特急の案件は受けられません。着手から初稿まで、最大、2ヶ月はいただきます。
担当者のキャパがありますので、受任できる件数には限りが有ります。
無料とするのは、当所の手数料(明細書作成の手数料や、拒絶理由通知に対する意見書と補正書の作成費用)だけです。特許庁へ納入する印紙代は実費をいただきます。また、図面のトレースに要する費用は、図面代としてご請求します。従って、単純に考えれば、印紙代と、図面トレース代は必要であるということです。
この他、修正等に対するルールもありますが、ご依頼があったときに改めてご説明します。
ご質問等があれば、所長にお問い合わせください。

 

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米国の特許制度と、日本の特許制度は、同じか、全く違うか

ある方が、米国の特許制度と、日本の特許制度は、全く違うと言われました。私が、米国と日本とでは、違いはあるものの基本的には同様であると話したからです。その結果、米国の特許制度と、日本の特許制度とが同様であると考えるようでは話しにならないとも言われました。

両者は同じではありません。これは確かなことです。ですから、違うというのは正解だと思います。一方で、全く違うかと言われると、それは主観的な判断にならざるを得ないと思います。

当然ですが、米国でも、日本でも、新規性、進歩性がある発明だけが、特許になるという特許の根幹部分は同じです。この根幹部分が同じである以上、特許制度は違うとはいうものの、基本的には同じと言えると思います。

そして、この根幹を前提として、米国にも、日本にも、それぞれ例外がありますから、そういった例外「だけ」をみれば、全く違うということになります。

新規性の場合、米国は、自ら公開してしまった発明でも、1年以内なら特許になる余地がありますが、米国以外の多くの国では、その余地はほぼありません。ただし、日本では、新規性喪失の例外という例外的な扱いがありますので、それにあてはまれば、特許になる余地はあります。この例外的な扱いの一部は海外でも通用するのですが、残りは海外では通用せず、特許になる余地はありません。これらの違いはありますが、あくまでも例外の範囲のことです。

公開してしまってもすぐに諦める必要はありません。ですが、我々にきちんと相談してください。詳しく事情を聞くことで、良い方法を見つけられるかもしれません。

確かに、日本では新規性喪失の例外の適用範囲が広くなりました。なので、日本国内での特許出願はできるケースが多々あります。しかし、その一方で、外国ではその例外が適用されないというケースの方が多いのも現状です。

ときどき、「特許出願が完了する前に、他の方に見せたいが良いでしょうか」と尋ねられることがあります。例外に該当するようなケースであっても、やはり出願してから見せるのが安全です。事実は小説よりも奇なりというように、世の中では全く予期していなかったことが起きるものです。従いまして、「そうは言っても、新規性を失わないで出願することを目指される」のがお勧めです。

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知財アクセラレーションプログラム(IPAS)

特許庁による知財アクセラレーションプログラム(IPAS)というものがあります。スタートアップ企業を支援する新しい取り組みです。基本的にはすばらしい取り組みです。
特許を例に取ると、スーパー早期審査を経て早期に特許権を取れるようにすれば、融資も得られるようになるし、スポンサー企業との提携なども進めやすくなると思います。そのほか、商標も大事ですし、デザインもこうやって権利を取るんですよというような説明をしています。出願に要する費用の減免もあります。
むろん、これはスタートアップ企業だけではなく、中小企業にも広く当てはまりますし、減免制度も適用できるところはたくさんありますので、積極的に利用されることを考えられると良いと思います。

ただ、スタートアップ企業が忘れていけないのはアメリカ特許だと思います。GAFAを目指すのであれば、日本の特許では不足ですし、そもそも日本を基盤にして世界制覇などできるわけ有りません。重要度を考えれば日本特許よりもアメリカ特許だと確信しています。IPASの資料では日本特許を取得することの重要性を説明していますが、それはアメリカでの基盤を作る為にも早期にアメリカ特許をとることが重要であることと置き換えて考えて欲しいと思います。中国政府はそれこそ莫大な補助金を出して中国企業などによるアメリカ特許取得を支援しています。また、大企業はもはや日本への特許出願に興味を持たなくなってきていると言われています。
当所は、アメリカ特許取得を目指す企業を支援しています。補助金を利用しての海外特許出願のお手伝いもしております。

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ソフトウェア関係のシステムについて米国で特許されました

ここ数日で、ソフトウェア関係のシステムについて当所で対応した案件が数件、米国で特許されました。101条関係で拒絶の通知が多い中、一安心です。
ソフトウェア絡みの発明について、日々情報が更新されていく状況です。ご検討されている方は、お気軽にご相談ください。今は101条に基づく拒絶の通知は受けることになるでしょうが、一つずつ課題を克服して、特許を目指すべきだと思っています。

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新しい特許証になりました。

今までの淡い黄色地のものから、エンジ色を含んだ華やかなデザインになりました。
特許番号が大台突入となったからでしょうか。そうすると、中国からの特許出願の件数も気になります。

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101条拒絶の範囲が拡大傾向

WEBサービス、ビジネスモデルなどソフトウェアの発明に関して101条によって拒絶される傾向が続いています。
ですが、その手の拒絶を予想していたものだけでなく、装置としてまとまっているようなものにも101条の拒絶が追加されることが多くなっています。現代の装置は、制御部を含むものが多いのですが、その制御内容に対して101条の内容が当てはまるというような指摘です。全体として装置の体をなしていてもお構いなしの雰囲気です。
もう少し具体的に説明すると、装置全体としては公知(大抵の場合、そういえばそうではあります)、特徴部分は制御内容にあり、それがabstract ideaに該当する場合、全体として101条で拒絶して良いという扱いです。
審査官としては、自分の保身を考えるわけで、微妙なものについては、出願人に十分に反論させて、ボスが十分に納得できそうな意見が出てこないのであれば、拒絶する方がよいと思っている節があります。インタビューでアドバイスされたような対応をしても、それでも克服しないというケースもあります。
いろいろ考えて対応しておりますが、十分な有効件数を言えないものの「XXデータ」とあるのを「XX信号」とするというような対応でも効果はありそうに思います。
私見としては、今は過渡期なのだと思います。

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米国特許出願のインタビュー

米国特許庁も、日本特許庁と同様に、インタビューの機会を得られるように、ビデオ会議を含めて改善を進めています。

当所もインタビューを行なっております。インタビューには、設定の時間、書類準備の時間、予めの対応の検討など、インタビュー用の事前の対応が必要ですから、当所では所定の費用をいただいております。

一方、審査官の審査方法が分かっていれば、敢えてインタビューする必要はないとも言えます。なので、当所の側からインタビューの実施を提案するということは多くはありません。

ただ、102条や103条はクリアしているのに、101条で頓挫している案件では、インタビューをして、審査官から補正のアドバイスを得たりしています。

その内容はというと、あまり納得するようなものではないこともあります。ですが、それくらいの補正なら受け入れられるというのであれば、受け入れることで特許になったりするものです。

また、そもそも審査官の意図を理解していない状態において、インタビューで説得しようとするのは無理があると思っています。審査官からは有効なインタビューとするために補正案や反論案を事前に提出することを勧められます。それを用意できない状態でのインタビューの実効性は低いと考えてよいと思います。

審査官の意図を理解したうえで、こういった方向性なら審査基準に基づいて拒絶理由を取り下げてくれるはずだと確信しつつ、審査官を必ずその方向に導かせるためにインタビューをして地ならしをしておく。そのような利用がよいと思っています。

当所以外のケースで審査が行き詰っているような場合、当所が内容を検討して対策を提案し、インタビューで確認して進めていくということもやっておりますので、ご相談ください。

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第三者提供:情報提供について(37CFR1.290):米国特許

第三者提供:情報提供について(37CFR1.290)
米国で誰かの発明の特許化を妨害する手段の一つとして第三者提供:情報提供の制度があります。

敢えて簡略に説明するならば、
1)特許許可よりも前、2)最初の公開から6ヶ月経過、あるいは、最初の拒絶の日よりも前であれば、
2)第三者は書面で
3)a)書類のリスト、b)各クレームとの関連の簡潔な説明、c)米国公報以外であれば書類のコピー、d)非英文文献であれば英文翻訳、e)IDS提出義務者ではないという主張を加えて
情報提供できるというものです。

オフィシャルフィーは、10文献ごとに180ドル(スモールエンティティ90ドル)です。

注意することがあるので、このメモランダムに残します。

1)簡潔な説明については、特許庁が適切な例と、不適切な例とを示しており、また、提出物は様式に沿っていないと見なされれば包袋に含められないので、適切な説明をしておく必要があります。無難にリストだけ付ければ良いというものではないですね。MPEP1134.01 II.CONTENT REQUIREMENTS FOR A THIRD-PARTY SUBMISSION B.Concise description of relevance

2)提出者は、匿名ではできない。本来の提出希望者でないといけないということはないのですが、架空のものであったり、空欄では提出できません。謝礼を払うということで、どなたかの名前で提出するのが良いと思います。

 

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